私が個人起業家となる前、まだサラリーマンであった40代のときに、よく考えていたことがあります。それは次のようなことです。
「どうすれば、苦労や悩みのない、幸せな人生が実現できるのだろうか?」
そして、また、「なぜ、会社ではうまくいかないことばかりが起こるのか?」とも常に思っていました。これらの疑問を解きたくて、その当時はたくさんの自己啓発本を読んだり、数多くの自己啓発セミナーに参加したり、そんなことをくり返していたのです。しかし、うまくいかない状況は改善されることなく、長い間、悶々とした同じパターンの生活を続けることになっていました。
そんな私の人生が好転し始めたのは、量子力学との出会いがきっかけです。
量子力学を学ぶようになってから、「なぜ、それまでの自分の人生はそのような状態であったのか」ということが分かるようになってきたのです。
今回のテーマは、そんな自分の体験をもとに、現実を創造しているものは「自分の観測した結果」である、ということについてお伝えします。
「二重スリット実験」の結果から説明されている観測者効果。
量子力学の世界では、「二重スリット実験」の結果から「観測者効果」というものが説明されています。それは、簡単に言うと、素粒子には波と粒子の二面性があるものの、それは「観測者がどう観測するかで、確定される現実(波になるのか粒子になるのか)が変わってくる」というものです。(詳しくは「二重スリット実験」で検索してみてください)
あるとき、私は、それまでの自分が自分のことをどう観測(=観察=意識を介在)していたのか、自分は自分をどのように見ていたのか、といったことを振り返って考えてみました。すると、自分で観測していた通りの現実を創り出していたことに氣づいたのです。(あちゃ~)
無意識(思考のクセ・思い込み)によって、観測を長い間続けていた
ではなぜ、自分自身をそのように見ていたのかというと、サラリーマン時代の長年にわたって培ってきた無意識(それは「思考のクセ」とも「思い込み・固定観念」ともいう)によって、長年無意識のまま観測が行われていたからです。このことに氣がついたとき、それまでの私の目の前に現れた現実の原因が、すべてひとつずつ説明のつくことも分かりました。このことは、「思考は現実化する」「鏡の法則」といった考え方にも通ずるものがあります。
なので、望む現実を創っていこうとするなら、無意識の観測パターン(思考のクセ・思い込み)を変えることが、重要であると分かります。
無意識の観測パターン(思考のクセ・思い込み)を自覚するためのノート
無意識の観測パターン(思考のクセ・思い込み)を変えるためには、まずは、その無意識について自分で自覚することが必要です。なので、私がそのために行ったことは、感情をノートに書き出すということでした。自分の感情が動いたときに、思い浮かんでくる言葉をそのままノートに書き出していくのです。そのとき、特にネガティブ感情を大切にノートに書き出すことで、これまで望まない現実を創っていた無意識の観測パターンを見つけやすくなります。
そして、感情を書き出しながら、「なぜ、そう感じるのだろう?」と自問自考※を繰り返していくのです。(※自ら問を立て、自ら深く考えるということ)
その答えを書き出した後に、ノートに書いた言葉(文字)たちを、第三者として客観的に見てみるということをすると、自分の思考のクセや思い込みがその言葉のウラにたくさん隠れていることに氣づきます。書き出すことで、文字化→可視化すると、自分の感情の動きがとてもよく分かるのですね。
「100点でなく70点で合格点」「なんとなく心地いい気分」を目につくところに貼る
それまでの無意識の観測パターンに氣がついたら、次は、新しい無意識の観測パターンに変えていきます。つまり、無意識の観測が現実化するのであれば、「どのような観測をすると、望む現実につながるのか」といった、自分の新しい観測パターンを設定することが必要になります。
しかし、観測パターンを変えることは、容易ではないのです。なぜなら、長年にわたって培ってきた無意識をプログラムとして使い続けてきたのですから。変えようと意識しても、いままでの観測パターンに無意識で戻ろうとしてしまうのです。
これは、脳の特性によるもので、脳の領域ではほんの少しずつしか変化していくことができないのです。これを「脳の可塑(かそ)性」といいます。しかし、脳は少しずつなら変わっていけるのです。
例えば、そのために私が行ったことは、「100点でなく70点で合格点」「なんとなく心地いい気分」「無いもの以外は全部ある」「考え方より感じ方」などと書いたものを目につくところに貼る、ということをしていました。パソコン、スマホ、手帳、トイレなどに貼りました。
そして、夜寝る直前と朝起きた直後が「いちばん潜在意識の開かれている時間」と言われているので、その時間にそれぞれ次の問いを立てることをしていました。
寝る直前:「今日うまくいった3つのこととはどんなことだろう?」
起きた直後:「今日一日の終わりにどんな気持ちになっていたら最高だろうか?」
新しい観測パターンを定着させるためは、日々コツコツ、コツコツ、コツコツ続けていくことです。脳は少しずつしか変化できませんので。そして、大事なことというものは面倒くさいものですね。脳は変化を嫌がるので、私たちに面倒くさいと感じさせて変化させないようにするのですね。でも、とにかくコツコツ、コツコツ、コツコツ続けていくと、観測した通りに現実が現れるということが、必ず体感できます。
人生は自分の観測・意図通りに現実化されているとは、納得感のある話でした。
一郎さん、ありがとうございます。
アルフレッド・アドラーの言う「人生はすべて思い通り」と通じるものがありますよね。