問活(といかつ)・中高年個人起業家はピーター・ドラッカー「われわれの使命は何か?」を「問い(自問自考)」で見つめ直そう!

前回と今回のブログ〔問活しよう!〕では、ピーター・ドラッカー(経営学者)の言葉である「5つの質問」の中から、いくつか選んでお伝えしています。
ドラッカーのいう、「事業をしていくうえで最も重要な5つの質問」とは、次のようなものでした。
第1の質問:「われわれの使命は何か?」
第2の質問:「われわれの顧客は誰か?」
第3の質問:「顧客にとっての価値は何か?」
第4の質問:「われわれの成果は何か?」
第5の質問:「われわれの計画は何か?」

前回は、第2と第3の質問についてお伝えしました。(※ピーター・ドラッカー「われわれの顧客は誰か?」「顧客にとっての価値は何か?」を「問い(自問自考)」で深く考える!
そして、今回は、第1の質問「われわれの使命は何か?」についてお伝えします。

「社会で実現したい使命(ミッション)は何ですか?」

ドラッカーの第1の質問にある「使命(ミッション)」とは、自分(たち)の「存在理由」のことと考えていいでしょう。
つまり、「誰のために?」「何のために?」そのビジネスを行っているのか、そこを明らかにした「答え」のことです。まず、「われわれの使命は何か?」を考えるにあたって、次の問いで現状を整理してみましょう。
「自分(たち)は、何をもって社会の役に立とうとしているのか?」
この問いは、少しスケールの大きいものと言えますので、答えづらいかもしれません。前回のコラムでもお伝えしたように、自分ゴトの始まりは、いつも「インサイドアウト」からでしたね。なので、次の問いに置き換えて自問自考してみましょう。
「自分(たち)は特に、どんなことに意義を感じるのだろうか?」
「自分(たち)は特に、どんなことに喜びを感じるのだろうか?」
「自分(たち)は何が得意なのだろうか?」
これら3つが重なり合う領域にこそ、使命(ミッション)があるのです。

また、「使命(ミッション)」は、「人々によって覚えられたいこと」とも言い換えることができます。そして、それは、自分(たち)のビジネスが社会に良い影響を与えることによって、はじめて成し得るものです。自分(たち)がビジネスする前と後で、まったく社会に影響を与えられなかったとしたら、それは、自分(たち)が「存在する理由」を持たなかったことと同じことです。
「何によって覚えられたいか?」
それを決めることが、「使命(ミッション)」を決めるということでもあります。

何によって憶えられたいですか?

また、ドラッカーのよく知られた言葉に次のものがあります。
「今日でも私は、この問い、つまり『何によって憶えられたいか?』を自らに問いかけている。これは、自己刷新を促す問いである。自分自身を今日の自分とは若干違う人間として見るよう仕向けてくれる問いである」

ドラッカーは、自分にこの「問い」を投げかけ続けていけば、自然と人生は実りあるものになる、と言っています。つまり、ドラッカーは、「自分(たち)の(ビジネスの)どんなところを人々に憶えておいてほしいのか」、ということをいつまでも追究していく姿勢こそが、人生を充実したものにする、と言っているのですね。
そして、「使命(ミッション)」は、一度決めたからといって、それで終わりではありません。それは、前回コラムでお伝えした「コンセプト(事業概要)」と同じことです。社会の一員として形成している限り、ずっと考え続けるものであり、また考え続けることこそが大切なのです。その後に変わってもいいのです。それは、私たちの変化と成長の証でもあるのですから。

ちなみに、ドラッカーが「これほど大きな自慢の言葉はない」として、この「何によって憶えられたいか?」の問いの「答えの例」として言及したものがあります。それは、アメリカの実業家で「鉄鋼王」と言われた、アンドリュー・カーネギーが自らの墓碑名に刻ませた次の言葉です。
「おのれよりも優れた者に働いてもらう方法を知る男ここに眠る」

「あなたは何をしているのですか?」

ドラッカーがその著『マネジメント』で紹介した話として、イソップ寓話をもとにした「三人の石切り職人」というものがあります。それは、三人の石切職人について、自分(たち)の活動(ビジネス)に対する「志(こころざし)」をそれぞれ表現したものです。簡単に紹介します。
『ある旅人が、旅の途中で、石を切り出している三人の職人に出会い、順番に次の質問をしていきました。
「あなたは何をしているのですか?」
一人目の石切り職人は答えました。「食べていくために働いているんだよ」
二人目の石切り職人は答えました。「この国で一番の石切り職人になるための仕事をしているんだよ」
三人目の石切り職人は答えました。「みんなの心のよりどころになる教会を建てているんだよ」』

おのおのの答えから、次のようなことが言えるのではないでしょうか。
一人目の石切り職人は、お金のために働いているので、「作業」をしていることになります。二人目の石切り職人は、職業意識を持って働いているので、「仕事」をしています。そして、三人目の石切り職人は、「志」を持って働いているので、「志事」をしています。

社会と「約束(プロミス)」をしましょう

私たちは、自分(たち)を「社会にとってどんな存在なのか?」「どんな価値を提供する人を目指すか?」を明確にすることが必要なのですね。小さいことでもいいから、取るに足らないことでもいいから、何か社会と「約束(プロミス)」をしましょう。その「約束(プロミス)」こそが「使命(ミッション)」なのです。

最後にあなたに伺います。
もし、あなたが四人目の石切り職人として、その現場にいたとしたら、旅人からの次の問いに何と答えますか。
「あなたは何をしているのですか?」

売れる個性の専門家/幸せな個人起業家コンサルタント 松﨑豊

売れる個性の専門家/幸せな個人起業家コンサルタント 松﨑豊

「自分らしさ」を求めて50代半ばで脱サラして起業も、「こんなはずじゃなかったのに…」となる。そのときに、そのときから、「本当はどうしたいのだろう?」「何のため、誰のためなのだろう?」と、自分で出した問いに自分で考えて答えるということを何度も繰り返す。そして、ビジネスは自分のパーソナリティ(個性・経験)に結びつていないと続けられないものなのだと氣づく。そのようにして、自分に問いを立て自分で深く考えること(自問自考)で引き出した、自分の「個性と経験」を活かしていったところビジネスが回りだす。現在は、その経験を「個人講座」として体系化し、中高年個人起業家の「幸せな成功」に伴走している
パーソナリティビジネス成幸研究所 代表  松﨑行政書士事務所 代表

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