【飽和期に入った中高年個人起業家の市場】
先日、『売れる「個性と経験」で幸せ起業プログラム』における、個人フォローセッションを実施しました。
そこでは、メインテーマを『飽和期における中高年起業家の「生き残り」戦略を考えよう!』として、「しつもん形式」の要素を取り入れ(自問自考式)、受講者さんと一緒に考える時間としました。
今年、2025年に入ってから、「個人起業家」をひとつの市場として捉えるならば、ずいぶん「飽和(成熟)市場」になったな、と感じています。
このことは、私の肌感覚のみならず、他の個人起業家さん、受講者さんの声とも一致しているので、実態として、そういう状況があるのだと思います。
その声とは、例えば、次のようなものです。
・SNS運用をずっとやってきたものの、反応がなくなった
・メルマガやLINEの登録者はいるものの、次のステップへ人が来ない
・何をしても、商品の提案までいく前に、離脱されてしまう
・前よりもバックエンドが売れなくなってきた
・SNSの広告のCPA(顧客獲得単価)が高くなり採算が合わなくなってきた
※なお、当ブログ記事はnoteにも掲載しております。

【個人起業家界隈が飽和市場となった要因とは?】
では、なぜ、個人起業家の界隈が飽和市場となったのかというと、次のようなことが要因と考えられます。
・コロナ禍になって、オンライン化、動画化、自動化が進み、そのとき受講していた人たちが、今度は一気に教える側にまわり、コーチ、コンサル、カウンセラー、セラピストなどを名乗る人が激増した
・本質を打ち出すのではなく、表面的で手軽な商品サービスが多く、同じようなものが激増した
・オンライン化で、競合が地元(エリア)だけではなく、全国になった
これらの結果、これから学んで教える側にまわりたいと考えている人たち、つまり、見込み顧客(需要)が、次のような状態になってしまっていると推測しています。
・講座の数が多すぎて、どれが、自分にあっているもの(講座)なのか分からない
・情報過多で比較検討に時間がかかる。様子見している
・説明会に参加してみたけど、本質的なものでなかったから、二の足を踏んでいる
・しばらく、YouTubeやAIを相手にしておこう

【飽和市場で生き残るには「戦略」が必須】
ビジネスにおいては、「戦略」、「戦術」がとても重要ですが、市場の変化のタイミングでは、なおさらのことです。
では、飽和市場における生き残り戦略とは、どのようなものになるのでしょうか。
そもそも、「戦略」とは、「戦いを略す」方法のことです。
ここで、「戦いを避けながら、弱者が強者に勝つ方法」として、よく知られているものに、『孫氏の兵法』があります。
そして、この『孫氏の兵法』は、戦略としての本質を突いているため、時代が変わっても、とても参考になります。
やはり、本質的なものは、普遍性がありますね。
「孫子」の言葉でよく知られているものには、次のものがあります。
「彼を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず」
この言葉の中で、孫子は、「敵(競合)」という言葉を使わずに、「彼」としています。
この「彼」には、「敵(競合)」のみならず、「環境」すべてが含まれるという見解もあります。
なので、ビジネスでいえば、競合だけでなく、政府の方針や市場の変化、消費者の動向などといったことをも、ちゃんと知りなさい、という教訓と受け取ることもできます。
さらに、私は、この「彼」よりも、次の「己」を知ることのほうが、はるかに難しい、と思っています。
それは、ドイツの劇作家/博学者であるヨハン・ゲーテの、次の言葉にも表れています。
「世界中のことを知るよりも、自分自身を知ることのほうがはるかに難しい」
自分が、本当にやりたいことは何なのかー。
このことを知らずに、ビジネスを続けることは困難です。
多くの中高年は、自分自身のことであるのに、自分の内面よりも外に答えを求めようとします。
しかし、中高年となったならば、自分の内面(氣質や性格、魂とも)に依った働き方をしていかないと、しょせん、長続きはしないのです。
なので、『幸せ起業プログラム』では、これらの考え方をとても大切にしており、「成幸」のために最も重要なのは、「市場理解」と「顧客理解」、そして、「自己理解」としています。
(下記の画像において、「市場理解」と「顧客理解」は、黄緑色の部分の②マーケットで、すべての段階を一気通貫するものです。また、「自己理解」は、水色の部分の①マインドセットで、成幸への土台となります)

【飽和市場における生き残り戦略とは?①】
さて、これまでのことを踏まえると、飽和(成熟)市場における対応策とは、次の3つがあげられます。
1.差別化をリメイクする
2.ポジショニングをリメイクする
3.ニーズのリキャッチ
今回は、1.と2.をひとつずつ解説していきます。(3.は、あらためて別記事にしたいと思います)
まず、一つ目の「差別化をリメイクする」ですが、そもそも、「差別化」とは、他と比較したときの優位性のことです。
それは、言い換えると「選ばれる理由」のことです。
つまり、商品サービスに「独自性」を持たせ、他とは異なる「魅力」を提供することです。
具体的には、次の4つの戦術があります。
戦術①.パーソナリティを前面に押し出す
そうすることで、お客さまからの「あなたなら、信頼できる!好き!」を獲得するというもの
戦術②.新機軸を打ち出す
そうすることで、お客さまの「そんなやり方をしてみたい!」という欲求に応えるというもの
戦術③.ターゲット(ペルソナ)層を少しずらす
そうすることで、お客さまの「いまの私に合っていそう!」という氣付きを与えるというもの
戦術④.ベネフィット(価値)を少しずらす
そうすることで、お客さまの「その結果が欲しかったのだ!」というインサイトを掘り起こすというもの

【飽和市場における生き残り戦略とは?②】
2.ポジショニングをリメイクする
そして、対応策の二つ目は「ポジショニングをリメイクする」です。
ポジショニングとは、誰のどんな頭の中に、どんな存在としてイメージされるか、ということです。
具体的には、次の3つのポイントがあります。
①.市場のカテゴリーはどこか
そもそも、人って(お客さまって)、未知のものは理解できないのです。
知らないものは、分からないので、スーパーマーケットでいうところの、「どのコーナーの、どの棚に置くか」が、すごく大事になってきます。
なぜなら、お客さまにとって、その商品サービスが「何に見えるか」で、お客さまの連想・期待・検索が変わり、行動が変わるからです。
例えば、製品が「細かく刻むハサミ」なら、それをどこにどう置くか。
調理器具コーナーに「海苔を刻むハサミ」として置けば、料理をする人、主婦層や料理人などが反応します。
一方で、文房具コーナーに「書類を刻むハサミ」として置けば、紙をシュレッダーにかけたい人、ビジネスマンやОL、士業の人などが反応します。
さて、あなたにしつもんします。
「あなたは、あなた自身を、そして、商品サービスを、「何に見える」ように、どこにどう置きますか」
「それは、どんなお客さま(ターゲット)層に、反応してほしいのですか」
②.市場のトレンドはどうか
ビジネスって、やはり、トレンドに影響されてしまうことは否めません。
なので、商品サービスがどんな市場カテゴリーの、どんなトレンドを利用できそうか、そこを考えてみる必要があります。
(下記の画像をご参照ください)

③.市場に対するポジションはどうか
さて、ここでは、「ポジショニング」の大元となる話になります。
ビジネス系の講座やセミナー、説明会などに参加すると、よく、講師の方から次のようなクイズが出題されます。
「日本一高い山は富士山ですが、では、二番目に高い山は?」
もう、このクイズに飽き飽きしている人、違う日本一のクイズを出題された人など、相当数の方がいらっしゃると思いますが、このクイズの意図することは、「ビジネス戦略」として、王道中の王道、基本のキです。
①の「市場のカテゴリーはどこか」のところでも触れたように、人って、知らないものは理解できないのです。
マーケティング的に言い換えると、「知覚されていないものは、存在していないのと同じ」なのです。
なので、この③の「市場に対するポジションはどうか」とは、つまり、「ナンバーワン戦略が取れているかどうか」、ということです。
そして、このナンバーワンは、自分が語れる資格(語る根拠)さえあれば、何でもいいのです。
「○○を(で)、△△するナンバーワンです!」と、言えればそれでいいのです。
それが、お客さまから「認知される」、ということなのです。

【お客さまから認知(知覚)されることがブランディング】
さて、「差別化のリメイク」、「ポジショニングのリメイク」と見てきましたが、実は、これらのことは、「ブランディングの再構築(リメイク)」でもあったのです。
なぜ、そう言えるのかというと、ブランディングのそもそもの意図である、「お客さまから認知(知覚)される」、ということの見直し(リメイク)だったからです。
その「お客さまから認知(知覚)される」という観点を、非常に重視していたマーケターのひとりに、経営学者のフィリップ・コトラー氏がいます。
彼のマーケティングは、「コトラー・マーケティング」といわれ、時代の推移とともに、マーケティング論も進化させていきました。
(下記の画像を参照してください)

そして、これからは、AIの時代です。
そう、これからは、「AIから認知(知覚)される」、という観点がとても大切な時代です。
それは、つまり、私たち中高年起業家が、その観点を、常に持ち続けないといけない時代になったということです。
(下記の画像を参照してください)

【あなたの魅力や物語に価値がある】
さあ、AI時代、この誰も経験したことのない時代を、私たち中高年個人起業家は、生き残っていかなくてはなりません。
ダーウィンの言葉が、思い出されますね。
「最も強い者が生き残るのではない。 唯一生き残るのは、変化できる者である」
では、私たちは、どう変化すればいいのか-。
AIが最も得意としているのは、既にある正解を瞬時に出すことです。
つまり、正解を提供することの価値が下がっているということです。
ビジネスのコンテンツが、「情報の編集」や「知識の編集」といったものでは、もはや、価値が低くなったということです。
その一方で、何の価値が上がったのか。
そう、それは、あなたのパーソナリティ(個性と経験)です。
あなたの魅力に価値があるのです。
あなたの物語(ストーリー)に価値があるのです。
なので、私たちは、パーソナリティに磨きをかけて、その物語(ストーリー)を言語化して、変化(進化)していかなければなりません。
あなたの魅力となる、あなたの物語(ストーリー)は何ですか?

【受講者さんご感想】
「今回のセッションで、AIによる縮小カテゴリーの予測を拝見しましたが、その多くが“座学”と言えるものだった。やはり、これからは、参加者が体験・体感する講座づくりを意識していかなければならないと思いました。本物のコンテンツしか、求められない時代なので、私のコンテンツもお客さんが変化を実感できる、トレーニング講座のようなものにリメイクしていきたいです」
さて、私の場合はどうだろうか?と思われたら、まずは、『結局、私は何者か?がわかる~パーソナライズミーティング™』へいらしてください。
この個人ミーティングは、通常有料(3,000円)で行っていますが、現在、期間限定で無料でご参加いただけます。
(そこでは、セールスはいたしません)
この機会に、自分を知ってあげてくださいね。

