今回は、【売れる「個性と経験」で幸せ起業プログラム】の「1to1体験プレセミナー」の中から、受講者さんから氣付きがとても多かったと感想いただいた、「脳幹網様体賦活系(RAS機能)の働き」について紹介します。
私自身がそうであったように、中高年の個人起業家は、「思い込み(思考クセ・固定観念)」によって、ビジネスの落とし穴にとても陥りやすいのです。
そして、その「思い込み(思考クセ・固定観念)」というものは、潜在意識の領域にある「脳幹網様体賦活系(RAS機能)」、という部位の働きが大きくかかわっていたのですね。
このことを起業初期に知っていたら、遠回りしなくて済んだのにと、本当に思います。
なので、受講者さんには、遠回りしなくていいように、ここのところは、しっかりとお伝えしています。
落とし穴①自己流で(起業を)やりたくなる思いに駆られてしまう。
中高年個人起業家は、とかく、自己流で(起業を)やりたくなる思い(思考パターン)に駆られてしまいます。
かく言う私もそうでした…。
思いに駆られるというよりも、それでうまくいくものだと、疑問を持つ余地がない、と言ったほうが適切な表現かもしれません。
それは、中高年のどこかに(ほとんど潜在意識の中に)、「まぁ、資格があるし、経験値があるし、著名な人が言っていたし…」などといった、(無意識の)思考グセが発動していて、そのように行動をとること後押ししているから、とも言えるでしょう。
振り返れば、私自身もまったくその通りだったと言えます。
その結果、お客さま(マーケット)のニーズ、ウォンツとの間に、ズレが発生してしまうのです。
つまり、マーケットインの発想ではなく、プロダクトアウトの発想になっているから、「こんなばずじゃなかった」となるのですね。
落とし穴②起業塾で学んだ通りにやってしまえば大丈夫…?
起業前後では、ビジネス系のスクールや講座などで学ぶ、という人も少なくありません。
でも、私もいくつかのビジネス系のスクールや講座などで学びましたが、わたしのはだかんかくでは、学びの後に、軌道に乗っていく人はごく限られた人です。
では、なぜ、学んだ通りにやっても、うまくいかないのでしょうか。
それは、学んだはずのやり方や考え方などの情報が、「脳幹網様体賦活系(RAS機能)」に処理されてしまうからです。
なので、本来の自分のパーソナリティ(個性やらしさ、経験)にひも付かず、他者のやり方と自分のやり方がマッチしないからなのです。
(当ブログ「なぜ、中高年は起業塾で学んでも行き詰まるのか。」をご参照ください)
この脳幹網様体賦活系(RAS機能)とは、脳幹の中に備わっているもので、「固定化された思考パターン(または意識を向けていること)」 によって、情報を処理する(フィルターをかける)役割を持っているものです。
つまり、私たち人間は、RAS機能によって、大脳へ送る情報を取捨選択しているのです。
また、脳幹は、中脳、間脳、延髄などからなり、人間の生命維持に欠かせない体温調節や呼吸機能、心拍調節や消化機能などをつかさどる重要な役割も担っています。
なので、そもそも脳幹は、「生命維持」を大きな目的として存在している部位でもあるのです。
なぜ、脳幹は情報にフィルターをかける(情報選別する)のか。
では、なぜ、脳幹は、五感から入ってきた情報を、そのまま大脳へ送ることをせずに、フィルターをかける(取捨選択する)のでしょうか。
それは、「大脳の特性」にあります。
大脳というのは、人間の体重の割合からしたら2%ほどしかありませんが、1日のエネルギー消費量の割合は20%にもおよぶのです。そんな、エネルギーを大量消費してしまうところ(大脳)へ、情報を次から次へと送ったら、生命維持に使うためのエネルギーが不足してしまう、といった危険な事態になりかねません。
なので、脳幹は、すべての情報を大脳へ送ることはせずに、「思考パターン・思考クセ(フィルター)」というものを使って、情報(答え)をフィルタリングしているのですね。
この「思考パターン・思考クセ(フィルター)」こそが、「思い込み」というものの正体です。
人は「無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)」によって動いている。
日本語でいうところの「無意識の思い込み」「無意識の偏見」「無意識の偏ったものの見方」などは、英語で「アンコンシャス・バイアス(Unconscious bias)」と表現されている概念です。この概念について、大きな影響を与えているのが、「脳幹網様体賦活系(RAS機能)」なのです。
このバイアス(フィルター)がかかることで、自分の「思い」というものが、「自問自考」ではなく、「他問他答(他者の問い、他者の答え)」によって作りあげられてしまうのですね。
その結果、本来の自分の「思い」とは違った「思い」で、自らを包み込んでしまうのです。
つまり、本当は(潜在意識レベルでは)、「やりたいことではないこと」でさえも、「やりたいこと」なのだと思い込んでしまうのです。
よく、ビジネス系の塾や講座、セミナーなどで、「ミッション(志)、ビジョン(目標)を書きましょう!」、「ペルソナ(理想顧客)を決めましょう!」、と言われますよね。
でも、それは、「思い込み」によって、「いいものを創ろう!」「社会通念に照らし合わせて立派なものにしよう!」といった、「本来の自分」より「無意識の偏見」が最優先されて、つくられてしまうのです。
なので、いわゆる「絵に描いた餅」状態になっている、起業家が後を絶たないのです。
自分のパーソナリティ(個性・らしさ、経験)をおざなりにしてしまっては、うまくいきません。
「それは本当だろうか?」と問いを立て、答えに健全な疑いを持ってみる…。
「脳幹網様体賦活系(RAS機能)」についてわかったら、これまでの「思考パターン(思考クセ)」を客観視してみることが大切です。
一度出した答えに対して、健全な疑いを持って、「問い返す」ということをしていくのです。
それは、自分の出した答えが、自分本来のパーソナリティに起因したものなのかどうか、「問い返す」ことを習慣化していくということです。
それは、例えば、次のような問いです。
「自分の出した答えは、脳幹網様体賦活系(RAS機能)によって、処理されたものなのだろうか?」
また、もっとわかりやすく、次のような問いを立ててみましょう。
「その答えは本当なのだろうか?」
「そもそも、その答えを持ってして、自分は楽しく生きていけるのだろうか?」
脳科学者の茂木健一郎氏は、著書『最高の結果を引き出す質問力~その問い方が脳を変える!~』の中で、次のように言っています。
「自分で出した答えが、本当の答えでないときがある」
茂木氏はそのことについて、「認知的不協和」が起こるという言い方をしています。
そして、次のようにも言っています。
「自分に対して、いい質問が出来るようになることは、これからの世の中では、“生きる道を自分で切り拓く、最高の姿勢を持っている”という証になる」