問活(といかつ)・中高年個人起業家へビジネスを変える問い~「もし、失敗しないとわかっていたら何をしますか?」~

今回のテーマは、「現状を変えるための問い」です。
いま、私たちの目の前にある現実は、これまでに私たちが行動してきた結果です。これまでに私たちが世の中へ投げかけてきたものが、いま返ってきて目の前に現れているのですね。
なので、これからも、いまのまま変わらずにいるならば、予定調和的に、いまと変わらない未来がやってきます。
つまり、未来を変えたいと思うなら、「いまを変えていけばいいだけ」なのですね。

今回のコラムでは、そんなときに立てるといい問い、「もし、失敗しないとわかっていたら何をしますか?」について、お伝えしていきます。

「もし、失敗しないとわかっていたら何をしますか?」

まず、この問いがなぜ「現状を変えたいときに立てるといい問い」であるのか、そのことについて説明します。
それは次の3つの理由によるものです。

①.この問いは、「行動すること」を促してくれるから
私たちは、とかく「こんなふうになればいいなあ」という抽象的なことをイメージして、行動が伴わない場合も多いかと思います。しかし、そうではなく、「何をするのか」といった具体的なイメージによって、行動することを仕向けてくれる問いなのです。
例えば、この問いの答え①として、「失敗しないとわかっていたら、大手のA社に営業をかける」というものが出てきたとします。そしたら、それは、もともとそのような想いや意識が自分(たち)のどこかにあったにもかかわらず、「失敗するかも」という思考でブレーキがかかっていただけなのかもしれません。

②.この問いは、「結果を出すこと」にフォーカスできるから
私たちは、脳の特性によって、ポジティブなことよりネガティブなことを強く思考しがちです。なので、「失敗したらどうしよう」などと考え過ぎることで、余計に集中力や判断力が落ちてしまうといったことになりかねません。
例えば、この問いの答え②として、「失敗しないとわかっていたら、結果にコミットメントをする」というものが出てきたとします。
そしたら、それは、もともとの目的や目標に焦点を合わせて行動すればいいのですね。そして、そこには当然ながら、「お客さまに喜んでもらう」ということがあると思いますので、ますます、結果は出やすくなるものです。

③.この問いは、「思い込みを外すこと」をしてくれるから
私たちは、新たな行動をしようとすると、「失敗したらどうしよう」という思考になったり、「不安」を意識するようになったりします。しかし、「不安の9割は起こらない」という研究結果を発表している学者もいるように、「失敗したらどうしよう」の「不安」の9割は何も起こらないのです。
例えば、この問いの答え③として、「失敗しないとわかっていたら、新しい事業の企画を立てる」というものが出てきたとします。
そしたら、それは、「チャレンジしたい」とかねてから温めていた考えを、いまあらためてここで表したものと言えるのではないでしょうか。
※「思い込み」については、関連ブログ<中高年個人起業家が努力しても頑張っても結果が好転しない思い込みとは。>をご参照ください。

ビジネスを変える「問い」

ただ、起業家の中には、「失敗してしまうのでは・・・?」と意識(無意識を含みます)している方が少なからずいます。
このように、意識していたり、感じていたりしていては、うまくいくはずもありません。これは起業初期の私自身です(笑)。なぜなら、いわゆる「引き寄せ」とは、「自分の意識を向けたものや感じていることが現実として引き寄せられてくること」でしたよね。だから、「失敗してしまう」と感じていることが、現実となって現れるのです。
なので、「もし、失敗しないとわかっていたら何をしますか?」という問いは、ビジネスに大きな影響を与えるし、またビジネスを変えてしまうほどの問いと言えます。

ケース・ウエスタン・リザーブ大学のデイビッド・クーパーライダー教授は、次のように言っています。
「組織は自らが発する問いに引き寄せられる」

そもそも、「失敗」って何だろう?

そもそも、「失敗」って何でしょうか。アルベルト・アインシュタインは、次のようにいっています。
「一度も失敗をしたことがない人は、何も新しいことに挑戦したことがない人である」
アルフレッド・アドラーは、次のようにいっています。
「失敗は決して勇気をくじくものではなく、新しい課題として取り組むべきものである」

人生やビジネスは、私たち自身で創り上げていくものです。そして、その過程では必ず失敗が伴います。「必ず」です。ただし、その失敗を「ミステイク」として捉えるのか、または「レッスン」として捉えるのかは、私たちが決めるということです。大事なことは、私たちが「どう感じているか」ということです。なぜなら、「感じていることが引き寄せられてくる」からです。
その私たちが、人生において最終的に求めていることは何かと言うと、それは「しあわせであること」です。
そして、その「しあわせ」とは、突き詰めれば「感情的に満足すること」なのです。例えば、「よく理由はわからないけど、なんとなく興味あるしやってみたい」、「失敗しても、なんかワクワクするしチャレンジしたい」といったような「感じ」があったとしたら、それは、「それをすることが感情的に満足すること」という潜在意識からのサインなのです。

本田宗一郎氏は、次のようにいっています。
「チャレンジしての失敗を恐れるな。むしろ何もしないことを恐れろ。失敗が人間を成長させると私は考えている。失敗のない人なんて本当に氣の毒に思う。困れ。困らなきゃ何もできない」

チャレンジは「成長」を約束する

人生は、チャレンジを楽しむためにあるのであって、失敗を避けるためにあるのではない、と思っています。
ただ、どちらが正しいかということではなくて、私たちがどういう人生を送りたいかということです。つまり、失敗したことを後悔するのと、チャレンジしなかったことを後悔するのとでは、どちらがイヤなのかです。よく、やった後悔よりもやらなかった後悔の方が大きいといわれていますが、私もそう思います。
私たちは、チャレンジすることによって「成功」は約束されていませんが、「成長」は約束されています。本田宗一郎氏のいうように、例え失敗したとしても、その失敗は人間を成長させます。成功よりも失敗から学べることの方がたくさんあったりします。
そもそも、私たちは、人生において、失敗しながら成長を重ねていくようになっているのではないでしょうか。とすれば、大切なのは、失敗を避けることではなくて、失敗してもそこから学ぶ姿勢です。

マーク・トウェインは、次のようにいっています。
「やったことは、例え失敗しても20年後には笑い話にできる。 しかし、やらなかったことは、20年後には後悔するだけだ」

この「もし、○○だったら?」という問いは、コラム06で紹介した「どうすればできそうか?」という問いと一緒に活用することで、よりイメージが明確になります。

「もし、失敗しないとわかっていたら何をしますか?」

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売れる個性の専門家/幸せな個人起業家コンサルタント 松﨑豊

売れる個性の専門家/幸せな個人起業家コンサルタント 松﨑豊

「自分らしさ」を求めて50代半ばで脱サラして起業も、「こんなはずじゃなかったのに…」となる。そのときに、そのときから、「本当はどうしたいのだろう?」「何のため、誰のためなのだろう?」と、自分で出した問いに自分で考えて答えるということを何度も繰り返す。そして、ビジネスは自分のパーソナリティ(個性・経験)に結びつていないと続けられないものなのだと氣づく。そのようにして、自分に問いを立て自分で深く考えること(自問自考)で引き出した、自分の「個性と経験」を活かしていったところビジネスが回りだす。現在は、その経験を「個人講座」として体系化し、中高年個人起業家の「幸せな成功」に伴走している
パーソナリティビジネス成幸研究所 代表  松﨑行政書士事務所 代表

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