あなたの人生は、まだ「本当の旅」が始まっていないのかもしれない
〜隠れ内向型の中高年が歩む「ヒーローズ・ジャーニー」〜
「なぜ、こんなに頑張ってきたのに、どこか満たされないのだろう?」
会社員として、それなりにやってきた。
それなりに評価もされた。
家族のためにも頑張ってきた。
それなのに、50代、60代になった今、ふと立ち止まると、
「これから先も、このままでいいのだろうか?」
そんな気持ちになることがありませんか?
私にはずーっと、ありました。💦💦
もし、あなたにもそんな感覚があるのなら、それは、あなたの「本当の旅」が、これから始まろうとしているサインなのです。

1.あなたはずっと「本来の自分とは違う世界」で生きてきたのかも
これまで私は、「内向型の中高年起業家」について、いくつかの記事を書いてきました。
そして、さらに一歩踏み込んで、「自分では内向型だと氣付いていない中高年」いわゆる「隠れ内向型」についても考えてきました。
隠れ内向型の人は、決して「人付き合いができない人」ではありません。
仕事では普通に人と話せる。
会議で発言することもできる。
営業だってできる。
部下を持ち、管理職として人をまとめてきた人もいる。
必要なら、社交的に振る舞うこともできる。
だからこそ、自分を「内向型」だとは思ってこなかった。💦💦
でも、一人になったときに、ようやくホッとする。
大人数の集まりが続くと、どっと疲れる。
人と会うことそのものよりも、「人と会った後に、一人で静かに過ごす時間」が必要になる。
考えてみれば、そんなことはありませんでしたか?

2.「外向型の世界」が世の中の「普通」になっている
私たち中高年が生きてきた社会では、どうしても「外向型的な価値観」が目立ちますよね。
積極的に発言する人。
初対面でもすぐに仲良くなれる人。
人脈が広い人。
飲み会や交流会に積極的に参加する人。
自分を上手にアピールできる人。
どんどん人に会い、どんどん情報を集め、どんどん行動する人。
こうした人たちが、「仕事ができる人」「コミュニケーション能力が高い人」「リーダーシップがある人」として評価されやすい。
もちろん、そうした技量は素晴らしいものです。
でも問題は、「それが、すべての人にとって最適な生き方なのか?」ということです。
もし、あなたが本来は「一人で深く考えること」が得意な人だったとしたら・・・。
もし、人と広く浅く付き合うよりも、少人数の人とじっくり関係を築く方が得意だったとしたら・・・。
もし、大勢の人の中で自分をアピールするよりも、文章を書いたり、企画を考えたり、専門性を磨いたりすることが好きだったとしたら・・・。
それでも私たち内向型中高年は、「もっと積極的にならなければ」「もっと人付き合いをしなければ」「もっと自分を売り込まなければ」と、自分自身を変えようとしてきたのではないでしょうか。

3.もしかすると、あなたは「間違った世界」で頑張ってきただけなのかもしれない
ここで、ひとつ視点を変えてみたいと思います。
あなたが「人付き合いが苦手」だったのではなく、あなたが内向型なのに、外向型のルールで生きようとしてきただけなのではないか。
あなたに「能力がなかった」のではなく、あなたの能力が発揮される場所とは違う場所で、頑張り続けていただけなのではないか。
そう考えてみるのです。
すると、過去の人生の出来事が、少し違って見えてきます。
「あの頃、なぜあんなに疲れていたのだろう?」
「なぜ、仕事が終わると誰にも会いたくなかったのだろう?」
「なぜ、休日は一人で過ごすことが好きだったのだろう?」
「なぜ、大人数の飲み会より、一対一で話す方が楽しかったのだろう?」
「なぜ、会社を辞めて自由になったはずなのに、起業してもまた疲れてしまうのだろう?」
ひょっとすると、その答えの一つが、「自分の本来の性質とは違う生き方を、長い間続けてきたから」なのかもしれませんね。
4.内向型中高年には「ヒーローズ・ジャーニー」という物語が存在する
ここからが、今回の本題です。
比較神話学者ジョーゼフ・キャンベルが研究した神話や物語には、さまざまな文化を越えて共通する「主人公の旅」のパターンがあります。
それを一般に、「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」と呼びます。
主人公は、最初から英雄だったわけではありません。
普通の日常を生きています。
ところが、ある出来事をきっかけに、その日常の世界を離れ、未知の世界へ旅立つことになります。
そこでは、さまざまな試練に出会います。
失敗もします。迷います。苦しみます。
そして、その旅の中で、それまで知らなかった「自分自身」や「世界の真実」に氣付いていきます。
やがて主人公は、旅の中で得たものを携えて、もとの世界へ帰ってきます。
ただし・・・、帰ってきた主人公は、もう以前の主人公ではありません。
世界が変わったのではなく、主人公自身の「世界の見え方」が変わっているのです。

5.これは「隠れ内向型の中高年」にも当てはまる
私は、この物語を「隠れ内向型の中高年」に重ねてみると、とても興味深いことが見えてくると思っています。
主人公は、あなたです。
そして、あなたがこれまで生きてきた世界は、「外向型的な価値観が標準になっている社会」だったと考えてみるのです。
「積極的に行動する」「人脈を広げる」「自分を売り込む」「人と会う」
「大勢の中で存在感を示す」「競争する」「上へ行く」
そうしたことが「成功するための正しい方法」とされている世界です。
あなたは、その世界で一生懸命に生きてきました。
学校を卒業し、会社に入り、仕事を覚え、昇進し、家族を支え、社会的な役割を果たしてきた。
そして、いつの間にか50代、60代になった。
でも、ある日ふと、「あれ? 私は、本当にこの生き方を望んでいたのだろうか?」
という疑問が生まれてくる・・・。💦💦

6.「起業」は「冒険」への入り口だったのかも
そして、ここで「起業」という出来事が登場します。
会社を辞める。定年を迎える。副業を始める。
自分の経験を誰かに提供してみる。小さなビジネスを始める。
これらは、単なる「仕事の変更」ではないのかもしれません。
もしかすると、「今までの世界から一歩外へ出てみよう」という、人生からの呼びかけだったのではないでしょうか。
もちろん、本人はそんなことを考えていないでしょう。
私自身もそうでしたから。💦💦
「会社員が嫌になったから」
「定年後も働きたいから」
「収入を得たいから」
「自分の力を試してみたいから」
「このまま終わりたくないから」
そんな理由だったかもしれません。
でも、物語として振り返ってみると、それは、「冒険への召命」だったのかもしれないのです。

7.起業したら自由になれると思ったのに…
ここには、ひとつ大きな落とし穴があります。
会社を辞めれば自由になれる。
自分で仕事をすれば、自分らしく働ける。
そう思って起業した。
ところが、起業してみると、
営業しなければならない。
人脈を作らなければならない。
交流会に参加しなければならない。
SNSで発信しなければならない。
自分をアピールしなければならない。
人に会わなければ仕事にならない。
「起業家なら、もっと積極的にならなければ!」そんな声が聞こえてくる。
そして、「会社員時代より自由になったはずなのに、なぜか疲れる……」ということが起こります。
これは、隠れ内向型の中高年にとって、とても重要なポイントではないでしょうか。
なぜなら、会社という組織から自由になっただけでは、外向型社会の価値観から自由になったことにはならないからです。

8.「もっと自分を変えなければ」と思っていないか
ここで、もう一度立ち止まってみましょう。
あなたは、
「もっと社交的にならなければ」
「もっと営業力をつけなければ」
「もっと話し上手にならなければ」
「もっと人脈を広げなければ」
「もっとSNSを頑張らなければ」
と思っていませんか?
もちろん、それらが必要な場合もあります。
でも、その前に考えてほしいことがあります。
「本当に、自分を変える必要があるのだろうか?」ということです。
ひょっとすると必要なのは、自分を変えることではなく、自分の特性に合ったやり方を見つけること なのではないでしょうか。
9.中高年の「ヒーローズ・ジャーニー」はいまここから始まる
若い頃の人生では、「自分を社会に合わせる」ことが求められます。
学校に合わせる。会社に合わせる。
組織に合わせる。上司に合わせる。
顧客に合わせる。家族に合わせる。
それは決して悪いことではありません。
私たちは、そうやって社会の中で役割を果たしてきました。
しかし、中高年になったとき、「これから先も、ずっと同じように自分を合わせ続けるのか?」という問いが湧き出てくる。
人生後半、ここから先は、「社会に自分を合わせる人生」から、
「自分に合った社会との関わり方を選ぶ人生」へ移行してもいいのではないでしょうか。
私は、ここに「中高年のヒーローズ・ジャーニー」の大きな意味があると思っています。

10.あなたの「失敗」は本当に失敗だったのか
もし、これまでの人生を振り返って、
「もっと社交的だったらよかった」
「もっと人脈を作ればよかった」
「もっと自分を売り込めばよかった」
「もっと積極的に行動すればよかった」
と思っているのなら・・・。
少しだけ、その考え方を横に置いてみてください。
そして、こんなふうに問い直してみてください。
「もしかすると、私は自分とは違う人間になろうとしていただけなのではないか?」
「失敗」だと思っていたこと。
「弱点」だと思っていたこと。
「欠点」だと思っていたこと。
それらは、本当に欠点だったのでしょうか。
もしかすると、
一人で深く考えられること。
慎重に物事を見ること。
人とじっくり付き合えること。
静かな環境で集中できること。
人の話をじっくり聞けること。
すぐに答えを出さず、熟考できること。
それらはすべて、あなたがこれからの人生で活かせる「資質」そのものなのです。

11.「成幸」は誰かの成功をコピーすることではない
中高年からの起業を考えるとき、私は「成功」という言葉だけでは少し物足りないように感じます。
売上を上げる。会社を大きくする。有名になる。たくさんの人脈を持つ。
もちろん、それも一つの成功でしょう。
でも、それだけが「成功」なのでしょうか。
私は、これからの中高年には、「成功」ではなく「成幸」という考え方が大切だと思っています。
自分に合った働き方をする。
無理をしすぎない。
本当に大切な人との時間を持つ。
自分の経験を誰かの役に立てる。
一人の時間も大切にする。
自分の得意なことを、自分のペースで仕事にする。
そして、「これが自分の人生だった」と思える生き方をする。
これもまた、立派な「成幸」ではないでしょうか。

12.そして、あなたの「ジャーニー(旅)」はまだ終わっていない
ここまで読んで、「ひょっとすると、自分も隠れ内向型なのかもしれない」と思った方がいるかもしれません。
あるいは、
「そういえば、昔から一人の時間が好きだった」
「人と会う仕事をした後は、必ず一人になりたかった」
「自分では社交的だと思っていたけれど、実はかなり疲れていた」
そんな記憶が蘇った方もいるかもしれません。
もしそうなら・・・。
それは、あなたの過去を否定するための氣付きではありません。
むしろ、これまでの人生を、もう一度肯定的に読み直すための氣付きなのです。
あなたは失敗したのではない。
あなたが弱かったのでもない。
あなたに才能がなかったのでもない。
ひょっとすると、あなたとは少し違うルールの世界で、ずっと頑張りすぎていただけなのかもしれません。
そして今・・・。
人生の後半に差しかかったからこそ、「本当の自分は、どんな生き方を望んでいるのか?」

13.さあ、ここから「本当の旅」を始めよう
ジョーゼフ・キャンベルの「ヒーローズ・ジャーニー」において、主人公は最初から英雄ではありません。
普通の世界に生きる、普通の人です。
ある日、何かが起こる。
そして、今までの世界から一歩外へ出る。
試練に出会う。
自分自身と向き合う。
そして、旅を終えた主人公は、以前と同じ場所へ戻ってきます。
しかし、その人自身は、もう以前の人ではありません。
私は、中高年の起業も、これとよく似ているのではないかと思っています。会社を辞めたから英雄になるのではありません。
起業して成功したから英雄になるのでもありません。
自分自身を知り、自分に合った生き方を見つけ、その生き方を選択できるようになる。
そのプロセスそのものが、私たちにとっての「英雄の旅」なのではないでしょうか。
そして、その旅の途中で、「あれ? もしかして私は、隠れ内向型だったのでは?」と氣付く・・・。
そこから、物語は大きく動き始めます。
あなたの人生は、失敗の物語ではありません。
「自分自身に戻ってくるための物語」だったのかもしれないのです。
そして・・・、あなたの旅は、まだ終わっていません。
むしろ、これからが本当の旅の始まりなのです。

